2016年6月30日―
梅雨が明ける少し前の蒸し暑い夜、我が家に2匹目の猫がやってきました。
茶白の男の子、その名も「チャイ」。
この日は、私たちにとって忘れられない日になりました。
少し前にキジトラのふーちゃんを迎え入れ、猫との暮らしが始まったばかり。
そこにまた、新たな猫が舞い込んできたのです。
真夜中に聞こえた猫の悲痛な鳴き声

日付が変わる頃、マンションの駐車場からか細い猫の鳴き声が聞こえてきました。
最初は「誰かの飼い猫かな?」くらいに思っていましたが、ずっと鳴き止まないその声に、心がざわつき始めます。
そっと上から覗いてみると、車の下に白と茶色の影がチラリ。
しかし、こちらの気配に気づいたのか、すぐにその影は車の下へと戻っていきます。
出たり入ったりと、怯えながらも何かを訴えるような仕草を繰り返しながら、ギャン鳴き。
「お母さん猫を呼んでいるんだな」と思い、しばらくそのまま様子を見ていました。
でも、30分経ってもお母さん猫は来ない。
鳴き声は止まず、子猫の不安だけが漂っていました。
「これは…放っておけない」
私たち夫婦は覚悟を決めて、夜の駐車場に降りました。
手のひらサイズの出会い

車の下をそっと覗くと、そこには怯えた表情の小さな猫が。
一瞬の隙を突いて、逃げようとしたその子を思わず手でそっと保護。
その瞬間「あーこの子はうちの子になるんだな」と心が決まりました。
手の中には、体重たったの450gの子猫。
左目が少し癒着していましたが、ぬるま湯でやさしく洗うと綺麗になりました。

実は、この子を迎える前にも、マンションの近くで子猫を数匹見かけたことがあり(うるも含め)、なかなかそんなことがなかったので、「もしかしたら、ふーちゃんは他の猫と一緒に暮らしたいのかもしれない」と感じていたのです(ふーちゃんが呼び寄せている)。
そんな思いもあり、迷わずその子を我が家に迎えることにしました。

名前は「チャイ」―あったかくて、ちょっと不思議な存在
名前は「チャイ」と名付けました。
白と茶色の優しい毛色が、まるでチャイティーのようで、どこか温かくてやさしい空気をまとっていたからです。
性格はちょっとおとぼけ。
なんだか存在が面白い。

とにかくよく鳴き、よく甘え、そしてなにより――お母さんが大好き!
冬の夜になると、私の布団にするりと入ってきて、ぴったりと寄り添って眠ります。
そのぬくもりと安心感は、まるで「おやすみ」のおまじないのよう。
抱っこも大好きで、膝に乗るのもお手のもの。
ふとしたときに話しかけると「にゃ」と返してくれるあたり、ちょっぴりおしゃべりなところも魅力です。
チャイとふーちゃんの心のつながり

驚いたのは、ふーちゃんの反応でした。
チャイを家に迎えたその日から、ふーちゃんはチャイの小屋の中にまで入っていき、まるで「あなたはここにいていいんだよ」とでも言うように寄り添っていました。
ふーちゃん自身も、きっと寂しかったのだと思います。
うるとの別れを経験し、どこか空いた心の隙間に、チャイがそっと入り込んだのかもしれません。
2匹は今でもとても仲良し。ふーちゃんの近くには、いつもチャイがいて、毛繕いをし合います。
でも毛繕いをするのはほとんどふーちゃん。
そしてチャイがふーちゃんを噛んで喧嘩が始まって終わるというパターンです笑





チャイと他の猫たちの関係

我が家には5匹の保護猫たちが一緒に暮らしています。
チャイは上から2番目の子。
チャイと他の子たちの関係を書いておきますね。
まず、我が家で一番末っ子の茶トラ猫「こつぶ」との関係です。
こつぶは、まだ若くてやんちゃ。チャイのことをちょっかいを出す対象として見ているようで、よく追いかけ回しています。
取っ組み合いの喧嘩になることもしばしば。
でも、あるときふと見ると、2匹でハンモックに並んで寝ていたりするのだから不思議です。
まるで「喧嘩するほど仲がいい」を体現しているような、兄弟のような関係。
一方で、同じ茶白の女の子「チャッピー」のことは、なぜか苦手な様子。
チャッピーが近くを通るだけで、チャイは「パコッ」と手を出してしまいます。
これはちょっとした“宿命のライバル”のようなものなのかもしれません(笑)
そしてもう一匹、どっしり系のぽんすけ(ぽん)。
チャイはぽんに対してはとても中立的。
好きでも嫌いでもない、無関心にも見える距離感を保っています。
お互い無言の了解があるのか、争いもない代わりに、特別仲良しというわけでもありません。
猫にも“相性”があるということを、チャイを通してしみじみと感じさせられます。
ちょっと困ったクセも愛おしい

そんなチャイですが、実はひとつだけ悩みがあります。
それは、トイレ以外でしてしまうこと。
先生で相談したところ、「ふわっと踏みしめられる感触が、排泄のきっかけになってしまうことがある」とのこと。
覚えてしまった癖はなかなか直らず、今でも油断すると粗相してしまうことがあります。
けれど、それさえも「チャイらしさ」と思えるようになりました。
さらに、チャイは少々ぽっちゃり気味。
それもまた魅力のひとつで、ぽよんとしたお腹とまんまるな顔に癒される毎日です。

チャイがくれたもの

あの夜、駐車場の車の下から登場した茶白のモフモフ。
それが、まさか我が家の一員になるなんて、誰が想像したでしょうか。
しかも、ただの「猫」ではありません。
よく鳴き、よく甘え、よく寝て、時々ベッドで粗相もしちゃう…
まさに“愛すべき問題児”、それがチャイです。
でも、そんなチャイだからこそ、毎日がにぎやか。
ふーちゃんとの仲良しっぷりにほっこりしたかと思えば、チャッピーを見かけるなり「パコッ」と叩く短気な一面も。
こつぶには追いかけられては喧嘩、と思いきや一緒にハンモックで寝てたりするし、ぽんには…まぁ、とくに感情はなさそうです(笑)。
猫ってこんなに個性豊かで、自由で、ツッコミどころ満載なんだなあと、毎日が発見の連続です。
そして何より、冬の夜、お布団にすっと入ってきて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら腕の中で丸くなるチャイ。
「お母さん、今日も一緒に寝ようね」と言っているようで、こちらまで幸せになります。
もしあの夜、チャイの声が聞こえなかったら―
たぶん、今よりちょっと静かで、ちょっと物足りない毎日だったかもしれません。
そう思うと、チャイがくれたのは「笑い」と「混沌」と「ぬくもり」のフルセットで、これはもう、最高のギフトです!
チャイ、これからもマイペースでおとぼけ全開でいてね。

