猫が大好きで毎日一緒に過ごしていても、ある日突然お気に入りの服におしっこをされてしまった。
そんな経験をした飼い主さんは意外と多いものです。
「なぜ服の上で?」「嫌われたの?」とショックを受けてしまいますが、猫には猫なりの理由があります。
この記事では、猫が飼い主の服に粗相してしまう原因や対策、再発を防ぐポイントについて、猫好きの目線からわかりやすく解説していきます。
まずは慌てず猫の気持ちを知るところから始めましょう。
なぜ猫は飼い主の服に粗相するのか?

「なんで私の服にだけ……?」
そんな疑問とショックを感じた飼い主さんも多いはず。
猫が飼い主の服に粗相する理由にはいくつかの原因が考えられます。
ただの嫌がらせではなく、猫なりのサインやSOSであることがほとんどです。
においが強く残っているから
猫は自分や他の猫のにおいにとても敏感な動物です。
飼い主の服にはその人特有のにおいが染みついています。
とくに脱ぎたての服や長時間着ていた服は、強烈なにおいのかたまりといってもいいほど(臭いというわけではありません!)。
猫はそのにおいに反応して「これは自分の縄張り」と主張するためにおしっこをしてしまうことがあります。
マーキングに近い行動です。
飼い主への愛情や不満のサイン
猫が粗相をするのは、「かまってほしい」「なんで放っておくの?」という気持ちの表れである場合も。
飼い主のにおいが強く残った服にわざわざ粗相することで、ここにいるよー気づいて!というアピールをしていることがあります。
逆に、構いすぎた・無理やり抱っこされたなどの不快な記憶が残った服に対して、抗議の意味で粗相する場合も。
ストレスや不安による行動
猫は環境の変化やストレスにとても弱い動物です。
引っ越し、来客、他のペットの出現、飼い主の外泊など、ちょっとした変化で不安定になることがあります。
その不安を解消しようとする手段のひとつが粗相です。
特に飼い主のにおいがする服は猫にとって安心感があるため、そこに排泄して気持ちを落ち着けようとしているのです。
トイレに問題がある可能性も
意外と見落とされがちなのが、トイレの環境が合っていないケース。
トイレが汚れている、数が足りない、場所が気に入らない、砂が嫌……こうした不満があると猫はここでは排泄したくなと感じて、代わりに安心できる場所=飼い主の服を選んでしまうことがあります。
どんな服が狙われやすい?粗相されやすい素材・場所とは?

猫が粗相のターゲットにしやすい服にはいくつかの共通点があります。
知らず知らずのうちに、猫にとっておしっこしたくなる環境を作ってしまっているかもしれません。
ここでは特に注意すべき服や場所について解説します。
脱ぎたての服
もっとも狙われやすいのが、飼い主がその日着ていた服。
体温や汗、においがしっかりと染み込んでいるため、猫にとっては飼い主の存在そのもののようなものです。
この服の上で寝たりスリスリしたりする子も多いですが、中にはマーキングの対象にする子もいます。
特に、分離不安気味の子や甘えん坊な性格の猫に多く見られる傾向です。
ベッドや洗濯物の上に置いた服
洗濯カゴやベッドの上など、柔らかくて居心地のよい場所に置かれた服も要注意。
猫はフカフカしたものが大好きで、トイレと間違えてしまう場合も。
また、「飼い主が触っていた=においがついている」と認識するため、洗濯物の山の中に潜り込んで粗相をしていた…なんてことも。
飼い主のにおいが強い服(部屋着・作業着など)
日常的によく着ている部屋着や、外での作業後の服も、猫にとってはにおいの刺激が強くなります。
特に多頭飼いの場合、他の猫や犬のにおいが服についていると、それに反応して「自分のにおいで上書きしよう」と粗相することもあります。
これは縄張り意識や対抗心からくるマーキング行動に近いです。
猫の粗相をやめさせるために飼い主ができること

猫が飼い主の服に粗相するのをやめさせたいとき、叱ったり怒鳴ったりするのは逆効果。
猫は、粗相=悪いことではなく自分の気持ちを伝える手段として行っているからです。
では、どうすればやめさせられるのでしょうか。
現実的にできることを紹介します。
トイレ環境の見直し
まずは、トイレそのものをチェック。
以下のポイントを確認してみてください。
- トイレは清潔?(1日に最低1回は掃除)
- トイレの数は足りている?(猫の数+1が理想)
- 置き場所は静かで落ち着ける場所?
- 猫砂の種類は気に入っている?
トイレが気に入らないと、猫はここは嫌と感じて別の場所を選んでしまいます。
粗相の原因がトイレにあることも多いので、まずはトイレ改善から始めるのがベストです。
服の置き場所に注意する
服はできるだけ猫の手が届かない場所に保管しましょう。
床やベッドの上に脱ぎ捨てておくのはNG。
すぐに洗濯機に入れる、フタ付きのカゴに入れる、クローゼットにしまうなど、習慣を変えることで粗相のリスクをグッと減らせます。
猫のストレスケアをする
粗相の背景には、ストレスや不安があることも。
以下のような変化がなかったか思い出してみてください。
- 引っ越し・模様替え
- 留守番が長くなった
- 新しい猫や人の出現
- 飼い主の情緒不安定
対策としてはスキンシップの時間を増やす、安心できる居場所を用意する、フェリウェイなどの猫用リラックスアイテムを使うといった方法があります。
マーキングと病気の可能性もチェック
特にオス猫や未去勢の猫に多いのがマーキング行動としての粗相。
スプレー状のおしっこをしている場合はその可能性が高いです。
また、頻繁に粗相をしている場合は膀胱炎や腎臓の病気など、体の不調が関係していることも。
粗相の頻度が多い・おしっこの量や回数に異常がある場合は早めに動物病院で相談しましょう。
粗相された服はどうする?においと汚れをしっかり取る洗濯法

猫に粗相された服は、すぐに処理しないと強烈なアンモニア臭が残ってしまいます。
「洗ったのに、また臭う…」という経験をした方も多いのではないでしょうか。
ここではにおいと汚れをしっかり落とす方法をご紹介します。
まずは応急処置(おしっこを吸い取る)
粗相を発見したら、まずはこすらずに吸い取るのが鉄則です。
- キッチンペーパーやタオルで押さえるようにして水分を吸収
- 汚れが広がらないように、外から内側へ向かって処理
- 服の素材によっては、裏からも吸い取ると効果的
この段階でしっかり吸い取ることで、におい残りが大きく変わります。
クエン酸を使ったニオイ除去方法
猫のおしっこはアルカリ性なので酸性のクエン酸が有効です。
逆ににおい成分を中和してくれます。
- バケツに水を張り、クエン酸(またはお酢)を小さじ1〜2入れる
- 粗相された服を30分〜1時間ほど浸け置き
- その後、通常通り洗濯機で洗う
また、重曹はにおい吸着に優れておりクエン酸との併用もおすすめです。
洗濯機に入れる前に重曹を直接ふりかけて軽く揉み込んでもOKですが、洗濯機が壊れてしまう可能性があるので重曹は少量にしておきましょう。
市販のペット用洗剤・酵素系洗剤も活用しよう
「市販の洗剤だけじゃ無理!」というときは、ペットの尿専用洗剤や酵素系洗剤を使うのがベスト。
たんぱく質やにおい成分を分解する効果があり、通常の洗濯よりもはるかに効果的です。
特におすすめなのは以下のようなアイテム:
- ペット用消臭スプレー(エタノール・酵素入り)
- 酵素系漂白剤(オキシクリーンなど)
- 尿臭専用洗剤(ペット用洗剤として販売)
洗ってもにおいが取れないときの最終手段
どうしてもにおいが取れない場合は、以下のような対処を検討しましょう。
- 天日干し+消臭スプレーで何度か繰り返し処理
- クリーニング店に「ペットの尿」と伝えて依頼
- 最終的に処分を検討する(素材によっては無理な場合も)
お気に入りの服ほどショックは大きいですが、無理に使い続けると猫が再び粗相するターゲットにされる可能性もあるので、においの完全除去が再発防止にもつながります。
再発を防ぐために意識したいポイント

粗相をただの失敗と片づけてしまうとまた同じことが起こります。
猫にとって粗相は、何かを伝えるための行動。
飼い主が原因に気づき、再発防止のための環境づくりをしていくことが大切です。
猫との関係性を見直す
猫が飼い主の服に粗相するのは、「におい=安心」や「気を引きたい」という気持ちの表れ。
日常的にスキンシップの時間を取っているか急に構いすぎていないか、一度振り返ってみましょう。
猫に合わせた距離感と接し方を意識することが、信頼関係の改善につながります。
生活リズムや住環境を整える
生活リズムが不規則だったり家の中が落ち着かない環境だと、猫は敏感にストレスを感じます。
以下のような対策が有効です:
- 決まった時間にごはんや遊びを取り入れる
- 猫が落ち着ける高い場所や隠れ場所を作る
- 来客や騒音があるときは猫を静かな部屋へ避難させる
猫にとって「安心できる空間=粗相をしなくて済む環境になります。
どうしても直らない場合は動物病院や専門家へ相談
何をしても粗相が続く場合、病気や深刻なストレスが関係している可能性があります。
動物病院で一度健康状態をチェックしてもらうのが安心です。
また、猫の問題行動に詳しいキャットカウンセラーや行動療法士に相談するのも一つの手です。
専門家のアドバイスで劇的に改善するケースもあります。
まとめ|服に粗相されても、猫の気持ちに寄り添って対処を
猫が飼い主の服に粗相するのは、「ただのイタズラ」ではなく猫なりのメッセージです。
においへの反応、ストレス、トイレの不満、愛情の表現など、原因はさまざま。
だからこそ、なんでこんなことをするの?と感情的になるよりも、どうしてそうしたのか?と考えてみることが、解決の第一歩です。
そして、対処法を工夫しながら猫と一緒によりよい関係を築いていくことが大切。
においをしっかり取る洗濯方法や、再発防止の環境作りなど、できることから少しずつ始めていきましょう。
愛猫との暮らしがもっと快適でストレスの少ないものになりますように。

