我が家の茶トラ猫の「ぽん」が脱走したのは、ある日の突然の出来事でした。
里親さんから預かり、トライアル中の全く慣れていない子が、ふとした隙に外へ出てしまったのです。
探し回る私たちを支えてくれたのは、近所の優しい方々でした。
そして無事にぽんが戻ってきた安堵のなか、私たちは思いもよらない「地域猫たちの現実」に触れることになります。
それが、新たな地域猫活動のきっかけとなり、やがて――小さな茶トラの子猫「こつぶ」との運命的な出会いへとつながっていきました。
今回は我が家の末っ子、「こつぶ」との出会いについて書いていきます。
脱走した「ぽん」が教えてくれた現実

ある日、我が家に来てくれた「ぽん」が、うちに来てから1週間で脱走してしまいました。
完全なる私たちの落ち度。
家族全員が心配と焦りでいっぱいになり、近所中を探し回る日々。
その中で、親切なご近所の方々と知り合いになり、様々な情報をいただきました。
ぽんは無事に帰ってきたものの、そのとき教えていただいたのが「この辺りに生まれたばかりの仔猫がいる」ということ。
ご近所の方々のご協力で、そのサビ猫と思われる母猫と、茶トラ、黒猫、キジ柄の3匹の子猫が一緒にいる写真が撮影されました。

そしてボランティアさんと相談して保護することに。
仔猫であれば、まだ里親さんが見つかる可能性はかなり高いので、今のうちに保護して家猫にするのが良いという判断です。
その日から毎日、写真に写っていた場所へと通い続けました。
朝も夕方も時間を変えながら、子猫たちの姿を探す日々。
ようやく姿を確認できた瞬間は、胸がいっぱいになり、嬉しさと同時に「どうか無事に保護できますように」と祈る気持ちでいっぱいでした。
そしてまず、茶トラと黒猫の2匹を保護。
すぐに動物病院に連れて行き、健康チェックと里親探しをお願いし、幸いにも、2匹にはすぐに新しいご家族が見つかり、あたたかな家庭へと旅立っていきました。

最後の1匹、そして運命の夕暮れ

しかし、まだ1匹―
茶トラの仔猫が残っていました。
なかなか姿を見せてくれず、不安が募っていきますが、2日後の夕方、ついにその子とサビ猫ママが一緒に並んでいるところを発見。
ちゅーるを仕掛けた保護器具をそっと設置し、遠くから見守ること数分……ついに、その子がチョロチョロと保護器の中に入ったため、無事保護することができました。

ママのサビ猫は私を警戒していましたが、「ごめんねごめんね、大丈夫だよ、幸せにするからね」と声をかけてその場を後にしました。
ママ猫にとって、子供と離れることは本当に辛いと思います。
でも、猫は生後6ヶ月ほどで子離れするからと言い聞かせて、その場を後にしました。
今もそのこつぶママは元気に過ごしています。
出会ってしまった、あまりにも可愛い茶トラの子猫

保護して帰宅後、この子も病院にお願いして里親さんを探してもらうつもりでした。
けれども、目の前にいるその茶トラの子が、あまりにも可愛らしかったのです。
小さくて、でも元気いっぱいで、ゲージから脱走しそうな勢いで動き回る姿を見て、私たちは思いました。
「この子は、うちの子にしたい」
そして、「こつぶ」と名付け、新しい家族として迎えることに決めました。
最初はさすがにビクビクしていたこつぶ。
しかし2日後にはすぐに家に慣れ、そして本当に元気で、何にでも興味津々。
最初はゲージで過ごしてもらいましたが、脱走をしてしまうほどの元気さ。
今もお気に入りのおもちゃをくわえて家中を走り回る姿に、毎日笑わせてもらっています。
朝になると、お父さんの起床を察知して、そっとぬいぐるみを持ってくるこつぶ。
まるで犬のように、おもちゃを投げるとダッシュで取りに行き、咥えて戻ってくる姿には、誰もが癒されます。
どんなに怒られてもヘコたれない!無敵のメンタル
こつぶは、チャイやチャッピーにちょっかいを出して「シャーッ」と怒られることもしょっちゅう。
でも、そんなことはまったく気にせず、ケロっとした顔でまた走り出します。
コラッと怒られてもめげないその姿に、「今を楽しむ」という大切な生き方を教わっているようです。
こつぶを見ていると、「周りがどう思うかより、自分が楽しいと思えることをする」という大切なメッセージを毎日感じます。
今日も元気いっぱいに走り回るこつぶ。
その姿は、どこか羨ましく、そしてとても尊く感じられます。
こつぶが教えてくれた幸せ、そしてこれから

今では、我が家には5匹の猫たちがいます。
どの子も性格も個性もまったく違っていて、でもみんな同じくらい愛おしい存在です。
その中でもいちばんの末っ子、茶トラの「こつぶ」は、まさに天真爛漫そのもの。
怒られてもめげずに走り回り、大好きなおもちゃをくわえて部屋中を駆け回る姿に、毎日元気をもらっています。
保護のきっかけは、ぽんの脱走という予期せぬ出来事でしたが、そこから生まれたたくさんのつながりと、猫たちとの出会いは、私たちにとって何にも代えがたい宝物です。
これからも、個性豊かな5匹と一緒ににぎやかな毎日を重ねていけたら―
そう思っています。

